【夜勤者必見】日をまたぐ勤務の法定休日と割増賃金のまとめ。未払いで会社と揉めた内容

2020/08/28

副業関連

私は約12年前から朝からの本業に加えて、夜に副業として短時間のアルバイトをしています。

月曜日から金曜日の19時半から深夜1時までの仕事なんですが、短時間とはいえ日付をまたぐので、カテゴリーとしては「夜勤者」の部類に入ります。

4年ほど前に子供の進学等があって、日曜日の日中に働けないかと会社にお願いして、働くことになりました。

今もその勤務形態のまま働かせてもらっているのですが、つい先日に

「法定休日について問題があるので、早急に改善してください。」

と会社から告げられたことをきっかけに、夜勤者の法定休日と深夜手当、休日手当について会社とちょっとした揉め事になったので、そのまとめです。


労働基準法における法定休日とは


働く際に雇用者も労働者も守るべき法律が「労働基準法」です。


労働基準法第35条では休日について、

週1回または4週間を通じて4回の休日を与えなければならない

と規定されています。

その週1回または4週間で4回の休日が「法定休日」となります。
(曜日を特定する必要はなく、個人のシフトで週1回または4週間で4回)


週休2日で土日が休みのような場合は、土曜日が法定外休日、日曜日が法定休日のようなケースが多いです。


休日の考え方


労働基準法の「一日」の考え方は、午前0時から翌日の午前0時までの24時間を1日としてカウントします。

ただし日勤と夜勤で違いがあります。


・日勤の場合

日曜日が法定休日の場合、日曜日の午前0時から月曜日の午前0時が法定休日となります。


・常夜勤の場合

常夜勤者とは夜勤、日勤のシフト制ではなく、夜勤固定の方です。

基本的に仕事終わりが日付をまたぐので、終業後24時間を法定休日とすることができます。


例えば土曜日の20時から日曜日の朝5時まで働き、夜勤終わりを法定休日とする場合、常夜勤の方の場合は


日曜日の朝5時終業から24時間後の、月曜日の朝5時が最速の出勤可能時間になります。

常夜勤なので朝の5時に出勤することはないと思いますが、月曜日の日中や夕方からの勤務は可能になります。


・シフトによって夜勤、日勤どちらもする場合

夜勤、日勤のシフト制の方の場合は、上記と同じように土曜日の20時から日曜日の朝5時まで働き、夜勤終わりを法定休日とする場合、


日曜日の朝5時終業から月曜日の朝5時までの24時間では法定休日とは認められません。

月曜日が丸一日法定休日となり、最速の出勤可能時間は火曜日の午前0時になります。


これは夜勤、日勤どちらもする方の休日の考え方が日勤者と同じとされているので、日曜日の朝5時までの勤務分は休日労働として扱われるためです。


労働基準法では日をまたいでの労働であっても、始業開始時間が属する日の1勤務とすると定められていますが、法定休日の計算上はまたいだ日に労働しているとみなされます。

上記の例の場合、勤務としては土曜日の1勤務ですが、労働としては日曜日も働いているので、日曜日を法定休日にはできないことになります。


後で書きますが、今回私が会社と話し合ったのはこちらのケースになります。


割増賃金について


法定外労働、深夜労働、休日労働は割増賃金の対象になります。


・法定外労働

一日8時間、週に40時間を超えた分の労働は、法定外労働として25%の割増賃金になります。

一般的に言う「残業手当」です。


・深夜労働

午後10時から午前5時までの間に労働した場合、深夜労働として25%の割増賃金になります。

一般的に言う「深夜手当」です。


・休日労働

法定休日に出勤して仕事をした場合、休日労働として35%の割増賃金になります。

一般的に言う「休日出勤手当」です。


それぞれの割増率は上記の通りですが、これが重なる場合があります。


例えば13時に出勤して、残業が入って深夜の1時まで働いたとします。(休憩1時間)

法定外労働が22時から1時までの3時間、深夜労働も22時から1時までの3時間。

この場合は法定外労働と深夜労働が重なった3時間については、法定外労働の割増分25%と深夜労働の割増分25%を足し算した、50%の割増賃金とになります。


休日労働と深夜労働が重なった場合も同じ理屈で、休日労働の割増分35%と深夜労働の割増分25%を足した、60%の割増賃金となります。


今回私が会社と話し合った例


今回私が会社から言われたのは、

「法定休日を取れていないので、至急改善しなさい。」

と言われたのが始まりでした。


私の勤務時間は、
  • 月曜日~金曜日…19時半~25時
  • 日曜日…14時~19時半
です。

もともとは月曜日~金曜日だけだったのですが、諸事情によりお金が必要で、日曜日の日中に働けないかと上司を通して会社にお願いしました。

法律的に働いても問題ないか会社で検討してもらって、OKが出たので働き始めたのが約5年前。

会社OKが出たので深く調べないまま、現在まで働いていたのですが…。


自分でも調べて、労働基準監督署の相談ダイヤルにも電話して確認しました。

結論は日曜日が日勤のため常夜勤とはならず、金曜日の夜勤時に日付をまたぐのが問題だと判明しました。

たった1時間土曜日にまたがっただけで、土曜日も働いていることになるのです。

このため土曜日が法定休日にならず、日曜日しか法定休日を取れる日がない。

なので日曜日の出勤をヤメるか、金曜日の勤務で日付をまたがないようにするかの二択になりました。


金銭的には日曜日を外すよりも金曜日の1時間だけを削る方が給料の減る額は少ないので、上司に説明して金曜日は私だけ早上がりする事で決着しました。

金曜日の同僚には迷惑がかかって申し訳ないですが、こればっかりはどうしようもない。


ちゃんと会社にお伺いをたてて働き始めたのに、こっちが違反してるみたいに言われて腹立たしいけど、とりあえず解決してよかった…


そう思っていた矢先、新たな問題が発生します。


休日出勤手当の未払いが発覚


今後の勤務については決着しましたが、労働基準監督署に電話で質問していた時、相談員の方から、

「この場合土曜日にかかっている1時間は休日出勤ですねえ」

と指摘を受けました。


これまでの約5年間、金曜日の夜勤時に日付をまたいでいた1時間は休日出勤の扱いになることを初めて知りました。

土曜日が法定休日として休んでいるつもりだったので、気にもしなかった…


もちろん手当は深夜手当のみしか出ていません。


未払いの分を払って欲しいと会社に伝えると、

「まあそうなりますよねぇ…」

とムカつく返事。

わかってて払ってないとか汚すぎるねん!


結局この日は返答がなく、次の日に支払いますと返事がきましたが、法律上2年前までしか遡れないとのこと。

未払い給与の支払いは2年で時効となり、それ以前の分は支払わなくていいと法律で決まっていることをここで初めて知ります。


実は2020年の4月1日、未払い賃金の消滅時効が2年から5年に延長(当面の間は経過措置として3年)となる改正労基法が施行されました。

しかし3年が適用されるのは2020年4月1日以降の分。

3年分請求できるようになるのは2023年4月以降になります。


自分の場合、2020年の9月以降は違反がない勤務形態に変わるので、結局請求できるのは2年分。

その2年の中には台風で休業があった2018年の9月から12月も含まれるので、タイミング的には最低の2年となります。


確かに会社がOK出したからって何も調べなかった自分にも非はありますが、ちょっと酷いなと思います。

別に遡って払ってくれればいいやん(-_-#)


たかが週に1時間なので微々たる金額かもしれませんが、5年分積もればそれなりの金額なような気もするし。

勝手に悪者にされた上、未払い分も満額もらえないとかふざけんなよ。

でかい会社のくせにマジでやってることがセコい!


納得はいきませんが法律的に文句を言えないので、2年分の支払いで決着することになりました。


働くってことは色々知っとかないと損するなと、改めて感じました。


皆様の中で、法定休日や割増賃金がおかしくない?とちょっとでも感じる所があれば、労働基準監督署に相談することをオススメします。

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プロフィール


crumbs(クラムス)と申します。
パチンコ・パチスロ、新日本プロレス、阪神タイガースが好きなダブルワーカーです。
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